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茶多屋女将

Author:茶多屋女将
スペイン・バレンシア在住のエッセイスト・スペイン家庭料理研究家。現在、「美味しい家庭があるから、美味しい食卓がある!」をモットーに3児の母として子育てに奮闘中。普段着姿のスペイン家庭料理をお楽しみください。

パセリはどこにあるの? - スペイン食の不思議その2

スペインにやって来て、一般市民の暮らしをはじめると、今まではごく当たり前で、
疑問にすら思わなかったことが、この国では、

あれ?なんでそないなるわけ?

という状況や姿になって登場することが多々ある。
そうかといって、それが悪いというのではなく、それはそれで、スペイン文化の線上
においては、なるほど、なるべくしてそうなったと納得することがほとんど。

そんな、知っておいて損はない、”知っ得情報”にパセリの話してみる。

パセリというのは、日本では揚げ物や洋風料理のつけ合わせにチョイと添える程度
で、実際、口にしても葉がパサパサ、ゴワゴワで美味しいものではく、たまに食べる
人があるとすれば、ビタミンが豊富で体に良いとかいう理由でしかない。

いつだったかは忘れてしまったけど、プラスチックのパセリが添えられていたことが
あった。それほど、日本でのパセリの存在というのは、”添え”でしかない、日陰の
生活を送っている。

スペインは違う。

日本の市場を出回る縮れた葉のパセリとは容姿も変わり、地中海沿岸地域に育つ
パセリは、菊の葉にも似た柔らかく広がった葉をしていて、単に彩りとして皿を飾る
だけでなく、緑の色鮮やかなソースになり、肉や魚の臭い消しになり、アクのある
野菜のアク抜きになり、ついでに、にんにくを食べた後の口臭消しにもなる。

それでは、さぞかしたくさん売られているものと思うかと、そうではない。

今でこそスーパーの陳列に真空パックになったパセリが並んでいるけれど、ほんの
ひと昔前には、お金を出して買えるものではなかった。

高いというのではない。パセリは自宅の庭先で育てるか、あるいは、特別な場所で
分けてもらうのがごく一般的な入手法だった。

今から十数年前のこと。

そんなこと、誰一人として言ってもらえなかった日本人ヨメは、スペインの片田舎で
3軒ものスーパーを巡ってパセリ探し。義母のキッチンにはいつもパセリの小枝が
何気なく水さしに飾られているというのに、どこを探してもない!

ひょっとしたら、何にも知らない日本人ヨメだと思われたくなかったのかもしれない。
「どこに売ってるの?」と素直に聞けばいいものを、足を棒にして探しまわったあげく、
ようやく義母にお伺いを立てた。

「魚屋さんで頂戴って言えばいいのよ」

へっ?!

そんな、軽々と言わんといて!
それならそうと、もっと早う言うてぇや!

と言いたくもなるが、聞かなかった自分が悪い。
肉料理と比較すると魚料理や魚介料理に使うことが多いパセリは、八百屋
ではなく、なぜか、魚屋にあった。

実際に、魚屋で耳を澄ませて聞いてみると、買い物に来たおばちゃんたちは、
当然のように、パセリをひと摑みくれるように支払い際に頼んでいる。

お願いするならまだカワイイもんで、魚の下に敷いってあるパセリを勝手に抜き
取っていくおばちゃんもいる。

この日を境に、ワタシもおばちゃんの一員となる。魚屋ではいつも頼む。

Me puedes poner un poquito de perejil ?

我が家の冷蔵庫にはいつも冷凍パセリが入っている。

...続きを読む

イワシのビネガー漬け

ボケロネス・ア・ラ・ビナグレタ


そろそろ暑くなってきた。

学校が夏休みになってから、子どもと一緒に毎朝、3キロ先の村にあるパン屋まで
歩いてパンを買いにいくのが日課になりつつある。家のすぐ裏が自然公園で、アヒル
や鯉だけでなく、リスまでいる。ウサギや針ネズミがひょっこり飛び出すこともあって、
ちょっとしたミニ動物園。

朝8時半に家を出て行く時にはひんやりした気持ちいい空気が顔の撫でていくのは
それだけで、朝起きしてよかったと思うのだけど、行きはよいよい、帰りはアツイ!!
1時間前とは打って変わって、9時半を過ぎる頃には、一日のスタートにやる気マンマン
の太陽が照りはじめて、額と鼻の下がジットリしてくるのがわかる。

子どもたちに朝ごはんを食べさせてから一緒にお買い物。
今日のオサカナを見ていると、店員のミゲールが空かさずチェック。

「大きい方が今日は安いで。フライ?酢漬け?どうやって食べる?」

一番安いちっちゃなボケロネスを見ていたのを見透かされたような気がしたけれど、

「酢漬けにしょっかな〜」

としらじらしい私。案の定、大きい方のボケロネスの方がいいと勧めるミゲール。
わかってる、わかってる。ホントは小さなボケロネスで丸ごとフライにしようかと思って
いたのに、ちょっとだけ見栄を張ってしまったのさ。

結局、250gで充分なものを500g近く買ってしまったボケロネス。
オリーブオイルを注ぐ前のボケロネスをこっそりと少しだけ取り分けて、辛子醤油にさっと
浸して食べてるのが密かな醍醐味だったりする。

■ ウチBAR3行レシピ ■
ボケロネスの頭・エラ・内臓を一気に取り除き、塩水で洗う。水気を切って手開きで2枚
にする。軽く塩をふってバットに重ならないように並べ白ワインビネガーを注ぎ約3時間。
酢から上げてパセリとニンニクのみじん切り、オリーブオイルを注いで15分馴染ませる。

忙しい日のチャチャッとスープ

ソパ・デ・ガジーナ

 スペインでは今週で小学校も中学校も終業。来週から9月の2週目頃まで長い長い
夏休みがスタートする。

2ヶ月半にわたるロングバケーションを前に、成績表をもらいに行ったり、集会に参加
したり、来学期の各種申し込みや支払いがあったりで、家と学校のある村との間を
行ったり来たりの毎日。

本日も、往復すること3回。
1往復30分として、1時間30分も移動時間に消費され、また、あっという間に皆さんの
お帰りの時間。

(ま、みんないるんやし、ゆっくりでええわ。)

と思った時に限って、旦那どんから釘が刺さる。

「今日は2時半には仕事に行くから、すぐ食べれるようにしといて!」

こういう大事な事は、時間の余裕をもって言ってちょうだいよ!
それより、もう1時半やのに、どないすんのよ!

言うても仕方ないことは、アホらしくて言わない。
言ってもいいけど、喧嘩しながら食べるゴハンほどマズイもんはない。

仕方ない。今日は超特急で”そこらのもん”で我慢しましょう。

本日のメニュー:『ガジーナ(雌鶏)とパスタのスープとトマトサラダ』也。

■ ウチBAR3行レシピ ■

雌鶏もも肉、適当な大きさに切った玉ねぎ、ジャガイモ、ガルバンソなどの材料を
水またはスープと共に圧力鍋に入れ、ツマミが回った状態で30分。雌鶏を鍋から
一度取り出し、身をほぐしてから再び鍋へ。パスタを入れて塩味を整える。

手作りトマトソースはスペインの母の味。

トマトソース


このところ週末になると毎週のようにトマトソースを作っている。
以前、某新聞のレシピコラム欄でも紹介したとおり、何度やっても
「酸っぱい」「水くさい」「缶詰、売ってないん?」という愛情たっぷり
の声援を受け、やっとこさっとこマスターした我が家の定番ソース。
今や、うちの常備食品として、冷凍庫の2段目左奥脇を陣取っている。

トマトソースには、バレンシア・ムルシアを中心とする地中海沿岸地域
で見かける”ペラ”と呼ばれる楕円形をした深紅色のトマトがベスト。
理由は酸味が比較的少なく、種の部分も取り除きやすい。
そして、何よりも”お安い”主婦の味方!

このトマトの赤く熟したのを1キロばかし買い込む。
おっちゃんが、ちょっと熟れすぎたのをオマケしてくれたので、1.5キロ
ぐらいあったかな。

大きな鍋に湯を沸かし、十文字に切り込みを入れたトマトをさっと
湯とおしする。あくまでも”湯とおし”なので、煮ちゃっては駄目。
ちょっとだけ皮がふやけ、ツルリと剥ける頃を見はからって冷水にとる。
中の種を抜いたら、1センチ弱の角切りにするか、すりおろしておく。

トマトをすりおろすという作業は、スペインの家庭ではよく見かける風景
で、パエジャを作る時にも、トマトはやっぱりすりおろして使うことが多い。

1時間ではまだ酸味が強すぎるトマトも、1時間半を越すころにはマッタリ
となり、オリーブオイルや玉ねぎの甘さが微妙に合わさってくる。

多めに作って冷凍すると、何にでも仕える万能トマトソースに変身。
豚ロースをサッと焼いてこのソースを添えるだけで立派なスペイン料理
になるんやから、いやんなるわ。

■ ウチBAR3行レシピ ■
みじん切りにしたにんにく1かけ、玉ねぎ2個を、バージンオリーブオイル
約200ccで炒め、透き通ったところで用意したトマトとローレルを加えて、
時々つぶしながら約2時間煮詰める。塩と砂糖で味を整えて完成。

250ccぐらいずつに小分けにして保存するととっても使いやすいので
オススメ!

アロス・アル・オルノで生き延びる。

アロス・アル・オルノ


 5日間もも続いた輸送業者たちのストがほとんど強制的に幕を下ろされ、
今朝から大型トラックやトレーラーがまた運行しはじめた。

 今回のストは、いままでになく一般市民に多大なる影響を与える結果
となったのは、彼らのストでほとんど全ての輸送サービスがストップして
しまったのが原因。

町中のガソリンスタンドへのガソリンがカラッポ。
スーパーマーケットはフレッシュ果物や野菜がすっからかん。
鮮魚売り場も、冷凍エビやイカを解凍してでも並べておかないことには、
平台の上はステンレスが丸見えで、何とも情けない状態。
普段は何箱も山積みになっている卵のパックも二段だけ。
キッチンペーパーも、お買い得オムツも売り場から姿を消していた。

昔、石油ショックで物が無くなるという危機感から、うちの母親が自転車で
スコッティのファミリーパックを買いに何度も走っていたのを思い出した。
 
 幸い、ニュースによると、店によっては多少、価格が上がっている商品は
あるものの、今日からやっと品不足の恐怖から脱出。

(よかったねぇ。何でも手に入るのはシアワセやねぇ。)

……などと、幸福をかみしめている場合でない!!
我がEQUIPOが帰国するまで1時間ほどしかないではないの!!

すっかり買い物に行くのを忘れておりましたよ、おかあさん。 

(しまったっ!!)

ウチの冷蔵庫も昨日のスーパー同様すっからかん。
そこで、慌ててひっかきまわした冷蔵庫からお出ましになった物。

*豚肉のスペアリブ(冷凍) 500g程度
*5で割りきれず喧嘩になるので残っていたブティファラとロンガニサ 各2本
*冷凍庫の隅っこから出てきたガルバンソ 150g程度
*トマト 2個
*タマネギ・じゃがいも 各1個
*にんにく 1頭

オリーブオイルと米、タマネギ、じゃがいも、にんにくも各1個ならある。
ふぅ。なんとか今日は生き延びれる。

セェ〜〜〜〜〜フ!!


■ ウチBAR3行レシピ ■
オリープオイルで塩をしたスペアリブとロンガニサを炒める。みじん切りのタマネギ
を加え、透きとおってきたら、卸したトマト1個分とガルバンソを加えて炒める。水を
加えて米の2倍の量に煮詰まったら米を加え、残りの材料を上に飾りオーブンへ。

注:オーブンによって差がありますが、通常220度で15分、180度で5分が目安。

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